baby blue eyes

それは魂の革変の物語。

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天使と人のものがたり ep.6

【別離の儀式】

彼の気配が現れたのは、本当に唐突だった。
そこはルシフェルの軍のど真ん中、何重にも渡って張られていたはずの結界も役に立たなかったということか。
覇気満ち溢れた気配に、背筋を戦慄が走るのを止められない者も多かった。
当然かもしれない、彼は天界一の闘将・ミカエル。

バサリとマントを脱ぎすてると、ミカエルは剣を抜いた。
兵達がとっさに剣を抜こうと反応するより早く、一陣の風が駆け抜けた。
間をおかずにに響いてきたのは剣戟だった。
完全に拮抗した力が、ギリリと剣を鳴らす。
相対するミカエルとルシフェルの表情はどこまでも冷静だった。

次の瞬間、白光が凄まじい勢いで爆発した。
光と熱と爆風から兵達が立ち直ったときには、ぶつかりあう二人の天使の姿は鮮明でありながら奇妙に存在感を失っていた。
ぶつかり合う術の余波が流れ弾のように零れたが、兵達の元にたどり着く前にある地点でいきなり消えうせる。
姿を見ることは可能だが、天界に力が及ばない程度に離れた界を二人は形成していた。
ルシフェル・ミカエル。
誉れと力に満ちたこの二人の天使の力がせめぎ合えば、星系の一つや二つが容易に吹き飛ぶだろう。否、銀河一つさえどうにかなってしまうかもしれない。
それほどの力から兵達を守るには、こうするしかなかった。

ウリエルが地に降り立ち、既に集まっていた面々に挨拶しようとした瞬間だった。
爆風のような何かがよぎった。
文字通り天の世界を震撼させるその力に、彼とザドキエル・ラファエル・ガブリエルは視線を交わした。
二度目に波動が過ぎったとき、彼らは片膝を着いて正式な天使の礼を取った。
至高神の前以外で膝を折ることのない天使のその礼が誰に向けられたものなのかは分からない。
それは秘されたままけして語られることはないだろう。


剣と剣が間断なく交わされ、その合間に息つく暇もなく術と術がぶつかり合う。
光と風と熱が二人の間からとめどなく生まれてくるようだった。
中空で行われるその戦いは、もはや舞踏に近い。
指先、足さばき。
優雅さを失わずに苛烈な戦いを繰り広げるのは、天使の筆頭の二人だからか。

ミカエルは、剣を握りこむ手に力を入れた。
胸が痛い。
なにかとてつもなく大事なものが、失われる予感がする。
その予感は、外れることはない。これから現実になるのだ。
そして、それはいつまで続くのだろう。
分かっているのは、死ぬことのない彼にとってもそれがあまりにも長い時になるだろう、ということだけ。


今も覚えている。
忘れるはずがない。
ふと気付いた瞬間、彼は彼として世界に存在していた。
見守る暖かな気配は至高神のものだったのか。
横を見ると、大きな瞳がこちらを見ていた。
視線が合うと、その幼子は優しく笑った。
つられて「ミカエル」も笑う。
向かい合う彼は「ルシフェル」。
一緒に生まれた者。
手と手を繋ぐと、温もりが伝わってくる。
彼は自分。
自分は彼。
一つのものから生まれたのだから、二人で一つ。
目を閉じると、繋いだ手から伝わる暖かさがより深く感じられる。
幼いミカエルは、心から安らいだ笑顔でもう一人の天使に寄り添った。
彼がいれば、世界はそれで満ちる。

識っている。
識っていた。
二人は、ただ共に在るために生まれたのではない。
あの誕生の瞬間から、こうなることが決まっていた。
分かたれるために一つから二人が生まれたのだから。


泣けるなら、どんなに楽だろう。
叫べるなら、喉も裂けよと咆哮しただろう。
けれど彼にはそれはできない。

だから、その痛みのすべてを剣に籠めた。
爪が己の手に食い込み、皮膚を食いちぎる寸前になっている。
その痛みも気にせず、ミカエルは己の力の全てを込めた。

ルシフェルは、その剣を両手で受け止めた。
深い瞳の奥に、何かが揺らいだのを見て少しだけミカエルは嬉しく思った。
自分とおなじものを、彼も抱えているのが分かったから。


界を隔ててさえ天界を揺らすほど、その爆発は大きかった。


やがて漂った力が収まると、そこにいたのはミカエルだけだった。




二人がぶつかり合ったと同時に、地を底から揺るがすような、海鳴りのような、なんとも言えない音が湧きあがった。
ルシフェルとレミエルの軍は、ミカエルの軍に押されていた。
押され、押されて、天界の端にまで来ていた。
それが戦略なのだと気付いたミカエル軍の者はいただろうか。
湧き上がるような降るようなそれは、羽音だった。
神に反旗を翻した男と、彼に従う天使たちが天界を一斉に後にしたのだ。
光の天使にとって自殺行為でしかないそれを、ミカエルの兵達は茫然と見送った。



ルシフェル。
暁の天使として神の右に座することを許された天使は、全てを得ていた。
しかし、彼はある時己が神に成り変わろうと天界への反旗を翻す。
神の将であるミカエルは、彼を討ち、ルシフェルは闇の底に追い落とされたという。
ルシフェルに味方した天使は、一説によると全天使の3分の1にも及んだという。







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テーマ:こころ - ジャンル:心と身体

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おへんじ

今回のお話は、私の創作に近いんですけどね。
でも、こうしてこんなストーリーが出てくるってことは、きっと当たらずとも遠からずなんだと思います。

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