baby blue eyes

それは魂の革変の物語。

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天使と人のものがたり ep.8

【散る花の君】


二人の幼子は、たくさんの天使たちに守られながら移動していた。
羽をもたない二人の子のために、花園の衛士たちがその腕に抱えて飛んでいる。
更にその周りを、見るからに精鋭と分かる者たちが囲っていた。

幼子は、自分を抱いて飛ぶ天使を見上げる。
視線に気づいたように、明るい空色の瞳が彼女を見た。
衛士の中でも年若い彼は、保護者というよりも二人のよい遊び相手だった。

私は、お二人の誕生に立ち会うという栄誉に恵まれたのですよ。

いつだったか、満面の笑みで告げられたことがある。
衛士になったばかりで右も左も分からない頃でした、
おまけにルシフェル様とレミエル様のご尊顔を拝する機会まで いただけましてね、僕は一生分の幸運を使いきったと思いましたよ。
自分たちがどんなに可愛い赤ん坊だったかを力説する彼に、二人の幼子は心がくすぐったくて笑い転げたのだ。

異変に気が付いたのは、その眼の中を覗き込んだ瞬間だった。
一片の曇りもなく、透明なガラスのように澄んだ目に、なぜか背筋が冷たくなった。
「巫女様……」
小さな呟きが聞こえてきた。
「どうか、お元気で……」
闇を飛び始めてからずっと続いていた光の粒の流出が、いきなり強くなる。
彼の輪郭がぼやけるほどに光が強くなり、それが放出ではなく崩壊なのだと気づく。
「あ……!」
異変に気づいたもう一人の幼子が小さな声を上げるのと同時に、音もなく彼の全てが崩れた。
「だめ、ダメ……!」
「いや、消えないでーーーー!!!」
幼い声が悲鳴をあげても、それを止めることはできない。
必死に両腕を伸ばしても、光はその腕の間をすり抜けていく。
大きく開かれた幼子の瞳から、あふれるような涙が零れた。
闇に落ちかけた彼女の体を、別の者が受け止める。
けれど、その腕もまた、光の花びらになって解けた。


虚無の空間を、幼い声にならない悲鳴が木霊した。







足が、地に触れた。
そうと認識する前に、彼の体は崩れ落ちた。
もう、指一つ動かす力もない。

天使達は、着地するというよりも、次々と落下してくる。
その様は切り捨てられた屍が累々と積み上がる戦場のようだった。
立っているのは、ルシフェルとレミエルの二人だけだった。
また天使たちが、塊になって落下してくる。
一人の戦士の腕から幼子が転がり落ちたのに気づいて、レミエルは歩み寄った。
大天使として類稀なる力を誇る彼でさえ、その表情には疲れが見える。

白銀の鎧に身を包んだ花園の衛士は、一人として見当たらなかった。
全滅したか……。
痛ましい気持ちに襲われるが、二人の巫女を助け出す方を彼は優先した。
完全に意識を失った天使の腕の中から、もう一人を抱き上げようとするも、なかなかうまくいかなかった。
天使は固く彼女を抱きこみ、気絶してまで幼子を守ろうとしているようだった。
そして、腕の中にいる巫女は、その表情が完全に凍りついていた。
無理もない。


やっと抱き上げた彼女と共にもう一人に近づくと、そちらは声を限りに泣いていた。
体を丸めて、幼い身にどれほど過酷な経験をしたか知らしめている。
そっと髪に触れると、しゃくりあげながらも身を起こした。
「大丈夫です」
レミエルの腕の中で、思っていたよりもしっかりとした声が上がった。
表情は硬いままだけれど、落ち着きを取り戻し始めたようだ。
泣いていた幼子は、無理に笑顔を見せた。
「平気です。識っていたもの……」
でも……。
ただ識っているというのと実際に経験するのは違うのですね。
瞬きに合わせて、その大きな瞳からまた涙が一粒滑り落ちた。

まだ涙をはらはらと零しながら、幼い子はその固く握りしめられていた両手を恐る恐る開いた。
ひらりはらりと、光を帯びた花弁のようなものが手から零れおちる。
その様を、彼女は呆然と見ていた。
「それ」がなんであったかを悟り、レミエルは心の中で嘆息した。
天使の魂の一部を成していたその花弁は地に落ちると、すうと消えていった。







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