baby blue eyes

それは魂の革変の物語。

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天使と人のものがたり ep.5

【ただ私は役割を果たした】

ギン!と、剣戟が鳴り響いた。
レミエルの剣を受けた天使は、その重い一撃にともすれば剣を落としそうになった。
気力だけで持ちこたえながら、目の前の主を見る。
否……主だった、今は裏切り者を。

「なぜですか、レミエル様!」
悲鳴のような声で、問い詰める。
と、同時に二人は後ろに一歩飛び退った。
花のような顔(かんばせ)をしていながらレミエルは生粋の武人で、今はその闘気を完全に解き放っていた。
白いローブに返り血が点々とついている様は、いっそ見るからに武人らしいミカエルよりも何か得体のしれないものを感じさせる。

「それを今さら問うのかい」
にこり、とレミエルは剣を構えながら笑う。
「知れたことよ、私はルシフェル様を王とする!この世界を統べるのは、神ではなくあのお方だ!」
「なぜ!」
今にも泣きそうな表情で、若い天使はそれでも剣を構え踏み込んだ。
ズン、と重い衝撃を体に感じたのはその瞬間だった。
目の前で、淡い翠の瞳が瞬いた。
優しく髪を撫でられる感触に、彼は目を見張った。
痛みは感じなかった。
「私のことをミカエルに告げたのはお前だね」
「レ…エル様、…戻り、ください…今なら……ま、だ」
ごぷりと肺の奥から血が溢れ出し、涙が頬を濡らした。
「それはできないよ。私はあのお方についていくのだから」
力が抜けていく若者の体を抱きとめながら、彼は幼子のように笑った。
そうできるのが嬉しくてたまらないのだと、全身で訴えながら。



「名は?」
芽吹きの色をした瞳が、優しく問いかけてくる。
自分の名を告げるのに、焦りすぎて思わずどもってしまった。
その様に、彼が笑う。
剣を交わす。
貴方を主に、と聖なる誓いを交わした。
主を得た少年の瞳は、興奮と決意と期待と、それからもう言葉にはできない感情の渦で煌めいていた。
かつての主は、その時となんら変わらぬ目で彼を見ていた。


地に横たえられた彼の体は、今にも命を失おうとしていた。
鮮血で白いローブを濡らしながら、レミエルは慈愛のこもった微笑みを彼に投げかけた。
その瞳の輝きがいきなり大きく弾けたかと思うと、自分の体に吸い込まれたような感覚を若者は得た。
その瞬間視えたのは、あまりにもあっという間で捕まえることは叶わなかった。
けれど、彼は悟る。
暁の天使と、それに連なる存在たちの運命を。
もう力のこもらない手を渾身の力で持ち上げた。
「ご…武運を……」
誓いを交わした時と寸分たがわぬ笑顔で、彼は自分の主に笑いかけて、そして、その手は力なく地に落ちた。






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