baby blue eyes

それは魂の革変の物語。

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天使と人のものがたり ep.12

【 結 】


天を衝くほどの扉が、彼女たちの前にあった。
重々しい存在感は、見る者を圧倒する。
ルシフェルの神殿に連なる者たちが、一堂に会していた。
蒼の巫女は決然とした瞳で、扉を見ていた。
薄い青紗のドレスと、銀細工の装身具が彼女を美々しく飾っている。


これから彼女は、死を迎える。




振り返ると、二人の妹巫女が瞳を濡らして立っていた。
全てが伝わればいいのにと思いながら、彼女は微笑みかけた。
銀の巫女と視線が交わる。
どちらともなしに、二人は頷いた。


最後に、ルシフェルとレミエルを見た。
黒衣の二人の天使を前に、巫女は腕を交差させて片膝をついた。

「行って参ります。
我が勤め、見事果たしてみせましょう」
「あぁ、私はここからそなたを見守っていよう」








そこは、どこまでも純粋な世界。
闇だけがある、薄青のひらめく世界。
扉の向こうへ、彼女は歩いて行った。
後は一度も振り返らなかった。



彼女は柱となる。
人と闇を繋ぐ、錨に。






闇に同化し、彼女は見ていた。
ルシフェルの神殿は徐々に勢力を弱め、集う人々もそれぞれの道を辿った。
愛すべき姉巫女と二人の妹は、汚されて死んだ。
死んで、人界へと下る。
悲しみが降る雪のように音もなく積もっていった。
己の魂を持つ者も、人界へ降りた。



全て、大いなる計画を満たすため。





そこは、大広間だった。
かつて賑やかに人々が集い、夥しいほどの蝋燭の炎が輝いていたそこに命の気配はない。
ルシフェルとレミエルは、そこから人々の営みを見守っていた。
どれほどの苦しみも悲しみも、ただ見ていた。
時折群れなす人々の中で見知った魂の色が煌めく。
その魂たちは、汚され折られ、楔を打ち込まれている。
泥のような恥辱と痛みと憎しみに塗れている。
あまりの苦しみに最初の目的を忘れても、彼らはまた命の海に身を投じる。
繰り返し繰り返し、渾身の力で求めるように。




レミエルは、己の主の前に膝をついていた。
「行くか」
「………はい」
胸が痛んだ。
こんな寂しい所に、主を一人残していく自分を責めた。
それでも、彼は願う。


私もまた、人の世へ。
あの弱きそして強き者たちの助けになるために。


その希求を、主は微笑んで受け止める。





ルシフェルは、見守っている。
もう人に似た行動を取ることはない。
まるで彫像のように、彼は神殿の玉座に座し、人の織りなす営みを見守る。
そして、ただ無私の愛で辛抱強く彼らに語りかける。

帰っておいで、我がいとし子よ。



この世の全てを経験しておいで。
泣いて笑って悲しんで憎んで、笑って笑って笑って、愛を失って愛を得て。
全てを失って全てを得て、世のなんたるかを知り、
光と闇の全てを知り
神と悪魔をその身に宿し

そしてそれを超越しておいで。



我等は神より生れし者。
そして神に集いし者。



【天使と人のものがたり・第一部 終】




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伝授の感想をいただきました

現在本当にお世話になってます。
なんくる主婦の年中わーばぐちのpyoさんがエンジェルリンクの伝授の感想をすべて載せてくださいました。
うーん、ボリューム満点♪
エンジェルリンクは5天使ですが、pyoさんは他の天使と同時に繋がったり、ハイヤーセルフの皆さんが出てきたりとすごい展開になりました。
ここまでドラマチックな伝授もそうそうないでしょうねw
皆様もどうぞ読まれてきてくださいませ~~

2009年03月27日 始めに
2009年03月28日 セラフ・ローズオーラ
2009年03月28日 大天使ウリエル
2009年04月21日 大天使ラファエル
2009年05月30日 大天使ガブリエル
2009年05月30日 大天使ミカエル

私からのレポートはこちらです。
2009.03.24 *Tue ローズオーラ
2009.03.25 *Wed ウリエル
途中で途切れちゃってすいません^^;
書く余裕がなくなりました…いやん。





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天使と人のものがたり ep.11

【竜の娘】


青い闇の中、彼女は佇んでいた。
その足元には、淡く発光する花が咲いている。
その花を彼女は万感の思いで見つめていた。

はるか遠い昔、今ではあの頃の事を覚えている者も少なくなった。
幼い巫女は、闇に下る途中で砕けてしまった天使の魂をいくつも幾つも受け止めると、この闇の大地に埋めたのだ。
やがて、その魂の欠片はこうして色のない花になった。
以来、誰も訪れぬこの地でひっそりと花は咲き続けている。


彼女が振り返ると、銀髪の女性が音もなくこちらに歩み寄ってくる所だった。
滝のような銀の髪と、菫色の瞳。
かつて天使の花園で双子として生まれた二人は、長じるにつれてその色を異にしていった。
今では、この二人が並んでいても双子だったと気づく者はいないだろう。

目を閉じて、二人は額と額を合わせる。
言葉だけでは足りない、伝えきれない己の意思を、そうして双子の片割れに伝える。
やがて眼を開けて、二人は額を離した。
おそらく、こうするのもこれが最後だろう。
「本当は、もっと後の方がいいのかもしれないけれど…」
遠い目で語る彼女が、今だ幼さの残る二人の妹巫女を心配しているのは明らかだった。
けれど、時は来るのだ。
「今が、その時なのでしょう?
あなたが言いださなければ、私が言っていました」
銀の巫女の言葉に、蒼の巫女は微笑んだ。



(巫女だ! 巫女様だよ!)
(久し振り、ねぇ、ねぇ、遊んで!)
(聞いて聞いて、僕飛べるようになったんだ!)

口々に語りかけられるのに、巫女は微笑みで答えた。
ここは、遥かに世界樹ユグドラシルを見渡せる彼女の作りだした世界。
いつの頃からか、彼女は様々な種族の親とはぐれた子や拾った子たちを引き取ってここで育てるようになった。
大きくなって巣立った者もいるし、なぜかどんどん数を増やすちび達の世話に残る者もいる。
親も親で、友達でも作れと、ここに放り込むものすらいる。
おかげで、ドラゴン、ユニコーン、妖精……その他諸々の幼き者たちが常に集っている。
賑やかなのはいいけれど、ここを訪れるたびに彼女はつま先から頭の上まで彼らにたかられる羽目になる。
嬉しい悲鳴とは、このことだろう。

(お前たち、邪魔をしてはいけないよ。下がりなさい)
とたん、ちびっ子たちの不満の声が上がるが、彼に逆らう者はいなかった。
大樹のような身の丈の、双頭の竜。
片方の頭の鱗は鈍く赤く輝き、もう一方の頭の鱗は青く輝く。
(久しいの、我が巫女よ)
ドラゴンらしい、重々しい響きの言葉が彼女に伝わる。
(えぇ、あなたもお元気そうで良かったわ)
念話で竜に話しかけると、声なき声で彼は笑った。



ユグドラシルの右向こうに、大きな太陽が沈もうとしている。
ここはルシフェルの作りだした界とは違い、太陽と月の巡りがある。
より地球に近い世界なのだ。
なだらかな起伏を伴ってどこまでも見通せる草地は、夕日に照らされて赤く染まっていた。
彼女と竜の背後に、長い長い影が伸びる。
(そうか、ついにその時が来たか…)
(えぇ、この地のことをお願いいたします)
(安い用だ。いつまでも私が守り通そうぞ)

(だから)

(だから、必ず此処に還ってくるのだよ。お前を待つ者は多い)



(えぇ)

(えぇ、)

(必ず)




(人としても、降りるのだろう)
(はい)
(もう一人のあなたに、竜の力を遣わそう。
弱い人の子になっても、守りの力になろうぞ)
(有難うございます)
深々とお辞儀をする彼女に、竜は哄笑した。


これから彼女たちの為そうとすることは危険に満ちている。
そして気の遠くなるほどの時間がかかるだろう。
計画が成就しない可能性もあった。
彼女の魂が砕けてしまうかもしれない。
それでも、その運命から彼女は逃れようとも目を背けようとも思わなかった。
因果律として生まれた、それが彼女の定め。





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天使と人のものがたり ep.10

【序奏の調】


回廊を一人の女性が歩いていた。
艶のある髪は漆黒に見えるが、光を反射するとミッドナイトブルーに輝く。
瞳も深い藍色だ。
十代の少女のようにも、二十代の成熟した女性のようにも見える。
着ているドレスもアクセサリーも華美ではないが贅を尽くしていた。

ふと風が優しく頬にふれ、甘い香りが周囲に満ちる。
回廊から見渡せる庭の一角に、小さいけれど香り高い薔薇が咲いているのを見つけ彼女は微笑んだ。
何もかもが美しく、穏やかで優しく柔らかいものが満ちている。
その様に満足を覚えた彼女は、回廊の先に一人の初老の女性を見つけた。
辺りをきょろきょろと見回している様に、何が起きているのかを悟ると彼女は一転して額をおさえた。

「また逃げ出したようね」
彼女の言葉に気が付いたその女性は、眉尻を下げて身を縮こまらせた。
「申し訳ございません、ほんの一瞬目を離した隙に部屋の窓から飛び出してしまったようでして…」
その言葉には、もう苦笑するしかなかった。
「分かったわ、私は庭を探しますから、あなたは館の中を見てちょうだいな」


波動を辿るようなことはしなかった。
庭の散策を楽しむように、彼女は足の赴くままにあちこちを見て回った。
いつものことなので、なかば諦めてもいるのだ。
けれどその日は、運が良かったのか、森に入ってしばらくしたところで目的に行き着いた。
「あ、お姉さま!」
「……見つかっちゃった」
黒髪の少女と茶色の髪の少女が、彼女を認めて首をすくめている。
が、反省しているようには見えなかった。

「また二人してお勉強を抜け出したわね、本当にお転婆だこと。いい加減お父様に言いつけるわよ?」
それはだめー!という慌てた声がユニゾンする。
嫌ならもう少しだけ真面目になさい、と苦笑しながら彼女は残されたもう一人の人物に目を向けた。
「だって、もうすぐ卵から生まれそうなのよ!見てみたいじゃない?!」
黒髪の少女が力説する。
もう一人も、控え目ではあるがうなずく辺り同意しているらしい。
ここで誰が迷惑を被っているかというと、卵がもうすぐ孵るというデリケートな状態で二人の少女が近付くのを黙って認めた白龍その人だろう。
のっぺりと寝そべりながら卵を暖め続けている白龍の鼻を、少女の姉は労わりを込めて撫でた。
竜は、もう諦めているのだろう、鼻から深い息を吐き出しながらなされるがまま。

「分かったわ……でも、お昼前には帰ってくるのよ?
それから、宿題を一つ。これから生まれてくる仔竜の鱗の色と力の種類、四元素《エレメンツ》の割合を卵のままの今の状態で特定すること。更に、彼らの辿る運命ラインの解析もするのよ。」
えぇー!という抗議の声に、年長の彼女は満面の笑みで答えた。
「それとも、無理やり連れ戻されたいのかしら?」
二人の少女は気をつけをすると、力いっぱい首を横に振った。



「どうぞ。開いているよ」
扉を叩く音に、ルシフェルは応えた。
現れたのは、宵闇の髪の巫女だった。
ルシフェルは長椅子に身を預け、葡萄酒の入った盃を傾けていた。
普段は落ち着きと威厳を醸し出す彼の安らいだ様子に、笑みを零しながら彼女は歩み寄った。
「あの子たちはまたやらかしたようだね」
お父様とも慕うこの神殿の主の言葉に、彼女は苦笑した。
ここは彼が作り出した世界、その目から逃れることはできないようだ。
「全く困ったものだねぇ」
困った様子はいささかも見せず、彼は巫女に葡萄酒を勧めた。
それからしばらくは、日常のたわいもないことを話題に、二人は話に花を咲かせる。

その応酬が止んだのは、彼女が遠い目で窓の外を見遣ったからだった。
「お父様…」
「なんだね」
優しい口調で彼が促すのに、巫女は目を閉じた。
あぁ、やはりこの方は全て分かっていらっしゃる。
「わたくしが…………《柱》になります」
「……そう」
目を閉じた黒髪の天使の顔を彼女は注視した。
二人とも、言霊の重要性はよく分かっている。
言葉は力だ。
口に出した瞬間からその力は魂を縛る。
だからこそ、言葉にしたときが最後だ。
言の葉が、世界の流れを変える。






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アンマ・愛の人

私は「愛」という言葉をあまり使いたがりません。
だって、多用すると薄味になってしまいそうな気がして。
それにスピ系で愛を多用する人って、どうも薄っぺらいし(笑)
えぇ、私はひねくれ者です。

でも今日は愛の大サービス!
これでもかというほど、愛という言葉を使います。
それは、まさに『愛を体現した方』にお逢いできたからです。

通称アンマというインドの聖人・マーター・アムリターナンダマイーという方がいらっしゃいます。
アンマとはお母さん、の意味です。
彼女は抱きしめる聖人とも呼ばれ、過去37年間にのべ2800万人以上の人を抱きしめてきました。
世界を導く12人のスピリチュアル・リーダーにも選ばれています。
2004年のスマトラ島沖大地震ではインドを中心に50億円以上の支援をしました。
しかし、それは彼女の行いのただ一部に過ぎません。

彼女のことを知ったのは、ふと訪れた見知らぬブログの記事が切っ掛けです。
そこからとんだこちらの記事の、アンマの笑顔に深く心惹かれました。
しかも、記事を見ていくと彼女が来日してその抱擁(ダルシャン)を受けられるというじゃないですか。
日にちは……東京の品川で25日、26日。
その日は、24日でした。
なんと、ダルシャンの前の日でした。
これを導きと言わずに、何と言うんでしょうねw

しかも、ブログを読んだ後からもう涙が止まらない。
あぁ、彼女の持つエネルギーに繋がってしまったのだなぁ、と思いました。

アンマはあったかくて柔らかくていい香りがしました。
その腕の中にずっといたいと思わせる何かが彼女にはありました。
でも、実際のところ彼女の腕の中に留まり続けることはできません。
なぜなら、私たちはそのためにこの地球に生まれてきたわけではないからです。
彼女の愛は、まさに私たちの魂のあった所の愛、そして私たちが還る所の愛です。
私たちがその愛から離れわざわざこの地球に生まれてきているのは、ただ魂の鍛錬のためです。
けれどこの世は時に私たちにとって厳しすぎる。
愛というものを忘れ、人と人が傷つけあい、無駄に苦しむことがある。
アンマは、そういう人に再びまったき愛を齎(もたら)すためにただその身を捧げているのです。

アンマに集う人々は、私には蜜に群がる蟻のように思えました。
神の愛という永遠の至高を求め、地を這い集まってきた小さき命です。
アンマは、等しく蟻の一匹一匹を愛しているのです。
彼女はまさしく、神から遣わされた人。
そして、その神の名は愛なのです。

けれど、彼女は深い悲哀を抱えているようにも見えました。
その悲哀が、彼女の愛の深さをもたらしているのか、
愛が彼女に悲哀を齎しているのか。
それは私にはわかりません。
もとより、これは私が勝手に思ったことであり、真実とは違うかもしれないから。












飢えた者に告げよ


『お前は既に満たされている』


ただ、お前の脳が偽りの飢えをなぞっているにすぎない。





それはまやかしである







今日、ふと浮かんできた言葉です。
アンマとの出逢いは、私にとって人生に何度あるかないかのギフトであるように感じます。
誕生日の直前に、本当に素敵なものを戴けました。
今日、33歳になりました。






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天使と人のものがたり ep.9

【 星 】


軍勢の3分の1は力尽きたようだ。
辿りついた者も皆、満身創痍だ。
その悲惨な状況を、しかしルシフェルは冷静な目で見渡した。

ふと気配を感じて下を見ると、二人の幼い巫女は彼のマントの裾を握りしめるようにして寄り添っていた。
「お手伝いいたします」
真剣な目で見上げられるのに、神はなぜこの二人を遣わしたのかを知った。

あの日、世界を震わす鈴の音のようなものをきいた。
新たな因果律が生まれたのだと悟ると、自然にその音の源に足が向かった。
途中で出会ったレミエルもまた、この因果との関わりは深くなるだろう。
そう、予想とも予感ともつかない想いを抱いたことを覚えている。
花園の中でも最も大きな花から生まれた二人の巫女は、今はまだ何も知らぬように安らかに眠っていた。
あの頃から、この日この時が来るのを知っていたような気がする。

二人の眼差しに笑顔で答えると、彼はその見事な羽を広げた。
真珠色の光を放つ翼が、その輝きを増した。
彼と二人の巫女を中心に、光と闇が渦巻き始めた。


指先から零れおちる光の粒は、増えることはないけれど減りもしない。
彼は、それをぼんやりと眺めていた。
自分はこのまま最期を迎えるのだろうか。
絶望にも似た気持ちで目を閉じようとして、自分から流れ出すものが更に増したのを感じた。
力が渦を成して、無理やり吸い取られていく。
腹の底から冷えるような恐怖に、彼は己から失われゆく光をかき集めようとした。
しかし、それを遮るように一帯に声ならぬ声が響く。
《抗うな。ただ、任せなさい》

ようよう見上げると暁の天使を中心として、大きな力が解放され、同時に圧縮されていた。
彼に寄り添う二人の巫女のうち一方に闇が集まり、一方に光が集まっている。
その光は、自分たちから抜き出されたものだ。
何が起ころうとしているのだ。
見守る視線の先で、光はますます成長し、それに比例して己の体からも力という力が失せていく。
その恐怖に耐えられたのは、鐘のように力強く、どこまでも優しい声音で励ます彼らの主がいたからこそ。

どれほどの時間がたったのか。
波が寄せるように、新たななにかの気配に彼は気づく。
それは、一言でいえば静けさのようなものだった。
冷たいような、そうでもないような、寂しいような、けれどその透明な気配は美しく、胸を絞られるそれは、切なさというのかもしれない。
(あぁ……)
彼はゆっくりと瞼を閉じた。


私はここで死んで……


その瞳から、髪から、色が抜け落ちていく。
そして、まるで闇に塗りこまれるように彼の髪が染まっていった。








ここで生まれる………。





再び開かれた彼の瞳は、深い夜の底の色をしていた。





ルシフェルの元に集められた光は、今や恒星級だった。
いやそれすらも凌駕している。
しかし、その力を、彼とレミエルと巫女たちは危なげもなく保っている。

レミエルは、ルシフェルと視線があったのに気づくと頷いた。
己の体からも、光が、力が、流れだしていく。
脳裏に浮かんだのは、輝く太陽とさざめく花々だった。


さようなら、また、いつの日か………。
愛しき世界よ、私のふるさと…。





静寂が支配する中、ルシフェルは集めた光で星を作った。
それは太陽のように眩しくはなく、冷たくけれど優しく光っている。
中空に浮かんだそれは、一定の場所で留まり天使たちを照らした。



我が名はルシフェル。
光に対しては闇であり、闇にあっては光である。








一人の天使が立っていた。
その髪は漆黒に煌めき、夜の河のように豊かに大地にまで流れ落ちている。
瞳は深く深くどこまでも続く宇宙のようだった。
誰よりも大きな黒い翼は、小さな七色の光を弾いている。
「お似合いでございます」
にこにこと笑いかけてくる天使に、ルシフェルもまた微笑で返した。
「お前もな、レミエル」


武具の触れあう音をさせて、新たに生まれ変わった彼達は片膝をついた。
幼い巫女も、胸の前で両手を交差させると片膝をつき正式な礼をとる。

新たに生まれた闇の王は、視線を巡らせた。
そこにいるのは、生まれたばかりの闇の天使たち。
誰もが傷を負って薄汚れているが、その瞳は何よりも気高かった。









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天使と人のものがたり ep.8

【散る花の君】


二人の幼子は、たくさんの天使たちに守られながら移動していた。
羽をもたない二人の子のために、花園の衛士たちがその腕に抱えて飛んでいる。
更にその周りを、見るからに精鋭と分かる者たちが囲っていた。

幼子は、自分を抱いて飛ぶ天使を見上げる。
視線に気づいたように、明るい空色の瞳が彼女を見た。
衛士の中でも年若い彼は、保護者というよりも二人のよい遊び相手だった。

私は、お二人の誕生に立ち会うという栄誉に恵まれたのですよ。

いつだったか、満面の笑みで告げられたことがある。
衛士になったばかりで右も左も分からない頃でした、
おまけにルシフェル様とレミエル様のご尊顔を拝する機会まで いただけましてね、僕は一生分の幸運を使いきったと思いましたよ。
自分たちがどんなに可愛い赤ん坊だったかを力説する彼に、二人の幼子は心がくすぐったくて笑い転げたのだ。

異変に気が付いたのは、その眼の中を覗き込んだ瞬間だった。
一片の曇りもなく、透明なガラスのように澄んだ目に、なぜか背筋が冷たくなった。
「巫女様……」
小さな呟きが聞こえてきた。
「どうか、お元気で……」
闇を飛び始めてからずっと続いていた光の粒の流出が、いきなり強くなる。
彼の輪郭がぼやけるほどに光が強くなり、それが放出ではなく崩壊なのだと気づく。
「あ……!」
異変に気づいたもう一人の幼子が小さな声を上げるのと同時に、音もなく彼の全てが崩れた。
「だめ、ダメ……!」
「いや、消えないでーーーー!!!」
幼い声が悲鳴をあげても、それを止めることはできない。
必死に両腕を伸ばしても、光はその腕の間をすり抜けていく。
大きく開かれた幼子の瞳から、あふれるような涙が零れた。
闇に落ちかけた彼女の体を、別の者が受け止める。
けれど、その腕もまた、光の花びらになって解けた。


虚無の空間を、幼い声にならない悲鳴が木霊した。







足が、地に触れた。
そうと認識する前に、彼の体は崩れ落ちた。
もう、指一つ動かす力もない。

天使達は、着地するというよりも、次々と落下してくる。
その様は切り捨てられた屍が累々と積み上がる戦場のようだった。
立っているのは、ルシフェルとレミエルの二人だけだった。
また天使たちが、塊になって落下してくる。
一人の戦士の腕から幼子が転がり落ちたのに気づいて、レミエルは歩み寄った。
大天使として類稀なる力を誇る彼でさえ、その表情には疲れが見える。

白銀の鎧に身を包んだ花園の衛士は、一人として見当たらなかった。
全滅したか……。
痛ましい気持ちに襲われるが、二人の巫女を助け出す方を彼は優先した。
完全に意識を失った天使の腕の中から、もう一人を抱き上げようとするも、なかなかうまくいかなかった。
天使は固く彼女を抱きこみ、気絶してまで幼子を守ろうとしているようだった。
そして、腕の中にいる巫女は、その表情が完全に凍りついていた。
無理もない。


やっと抱き上げた彼女と共にもう一人に近づくと、そちらは声を限りに泣いていた。
体を丸めて、幼い身にどれほど過酷な経験をしたか知らしめている。
そっと髪に触れると、しゃくりあげながらも身を起こした。
「大丈夫です」
レミエルの腕の中で、思っていたよりもしっかりとした声が上がった。
表情は硬いままだけれど、落ち着きを取り戻し始めたようだ。
泣いていた幼子は、無理に笑顔を見せた。
「平気です。識っていたもの……」
でも……。
ただ識っているというのと実際に経験するのは違うのですね。
瞬きに合わせて、その大きな瞳からまた涙が一粒滑り落ちた。

まだ涙をはらはらと零しながら、幼い子はその固く握りしめられていた両手を恐る恐る開いた。
ひらりはらりと、光を帯びた花弁のようなものが手から零れおちる。
その様を、彼女は呆然と見ていた。
「それ」がなんであったかを悟り、レミエルは心の中で嘆息した。
天使の魂の一部を成していたその花弁は地に落ちると、すうと消えていった。







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【伽羅孤ものがたり】 護り

肉体と霊体が完全にズレてしまった。
自分の体が1.5倍くらいの大きさになったような、輪郭が曖昧になってぼやけているような。
思考能力も落ち、物事に集中できない。
この状態を見るに見かねて、紫野の地上の本体が言いだした。
ラジエルのヒーリング、だという。

受け取ると、確かに輪郭がどんどんくっきりしていく感覚がある。
思考もそれにつれていつもの状態に戻っていくようだった。
ラジエルの気配を感じようとして、それが出来ないのに気づく。
そして、自分がレミエルにすっぽりと抱き込まれていることに気が付いた。

天使は上機嫌に見えた。
完全にこちらを抱き込んで、笑顔を浮かべている。
優しく髪を撫でられる感触を受け入れながら、彼女はじっとレミエルの顔を見詰めた。
なるほど、ラジエルの気配を邪魔したのはこの天使か。

気配を負うのを諦めながら、彼女は全身を完全に彼に預けた。
そういえば、以前にもこんなことがあった。
あの時彼女を抱きしめたのは、レミエルではなかったけれど。

当時、彼女は本格的に天使と繋がったばかりだった。
伝わってくる愛や優しさは、ひどく魅惑的だ。
だから彼女は特にルシフェルに毎日逢いに行っていた。
ところがその日、彼に抱きついた彼女は後ろからぐいっと引っぺがされた。
彼女を抱きこんだのは、守護存在の悠里。
天使のいるところから連れ去られて、「お前は俺と一緒にいるの!」と言い渡される。
それだけなら、ちょっとした嫉妬劇として微笑ましいエピソードのまま終わったかもしれない。
実際には、「しばらく天使にアクセス禁止」と言われる。

睡眠は十分には取れていなかった。
神経が興奮しきったまま、リラックスすることを忘れ、寝ていてもどこかで意識が活動している。
3時4時まで寝られないこともあれば、それくらいの時間に起きてしまうこともある。
少しでも食事を摂りすぎると気持ち悪くなる。
なのに、休むということは考えられなかった。
精神的にも肉体的にも、危険を感知するセンサーが壊れていたか、作動しなくなっていたのだろう。
その原因が、天使の力を受け取りすぎたことにだと気がつくには少々時間がかかった。

天使の魂を持つ者が人間として生まれるには、その魂を「重く」しなければならないと言う。
逆にいえば、そのままでは肉体には留まれないということだ。
そして彼女は天使に連なるものであり、もっと悪いことに巫女だった。
巫女とは器。
そして彼女が受け入れられるエネルギーの総量は、理論上は上限がないようだ。
そんな魂を持つ者が、天使と触れ合い、その力をどこまでもどこまで受け入れたらどうなるか?
その魂を肉体にとどめるための「重さ」が意味を為さなくなる。
なんの対策も取らなければ、死という最悪の事態だって起きかねなかった。

結局、彼女が際限なく力を受け取ることが今後ないように、エネルギーブロックが築かれることになった。
それには数カ月がかかった。
徐々に、じわじわと、天使の力が遠くなる。
それが何のために行われているかを完全に理解しながらも、拷問のようだった。
イメージ的にいえば、己の四面にシャッターが下りて外界と完全に断絶されたような感覚。
何もない。
何も伝わってこない。
あの暖かい気配はどこ?
ここは寒い、冷たい。
ひどい。
ひどい。
ひどい。
与えてから奪うなんて。
あの至福を覚えさせてからそれを奪うなんて。
こんな仕打ちをするなら、最初から近づかないで。
理性は宥めようとしても、感情が荒れ狂う。
それはまさしく絶望だった。

それから少しずつ、感覚は回復していった。
しかし、以前の感度は復活しなかった。
それは、仕方がないこと。
彼女は納得して受け入れた。


つまりこれは、レミエルの作り上げたエネルギーブロックが働いている状態か。
彼に抱きこまれながら、内心頷いた。
確かにラジエルは初めてアクセスした天使であり、彼女との交わりが初めてなら、或いはどこまでもその力を浸透させようとするかもしれない。
今回の、この護りの体制はいつまで続くのだろう?
そんな事を考えながら、彼女は天使に身を預ける。
レミエルは上機嫌で、微笑み続けている。
まるで、他の天使にあなたを渡すなんてとんでもない、とでも言うかのように。


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2009年04月22日 大天使ラジエル




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セッションのご感想をいただきました

現在封印解除のオリジナル・ワークを開発中なのは以前もお伝えさせていただきましたが、モニターのたか1717さんがブログにその時の記事を公開してくださいました。
他にもたくさんの方がMixiで日記を書いてくださったのですが、そちらは見られない方もいらっしゃるので、今回はリンクを貼っておりません。

たか1717さんのブログ【上昇気流に乗って 】
2009.05.15 封印解除セッション1回目
2009.05.16 封印解除セッション1回目part2
2009.05.17 封印解除セッション1回目の後で
2009.05.22 封印解除ワーク2回目
2009.05.23 封印解除ワーク2回目 part2
2009.05.24 封印解除ワークがすべて終わって

特にラストの記事は秀逸ですので、私のワークに関心がある無いにかかわらずご一読をお勧めいたします。

それと「封印」って聞くと嫌なもの、と思うかもしれませんが、私にとって「封印」たちは私を守ってくれているものたちでした。
たくさん助けてもらっているんです。

ただ時期が来たらそれはやっぱり手放さなくていけないもの、なんだと思います。
手放したいのに自分ではどうしていいのかわからなくなったもの=封印、です。


この辺りは、まさに頷くのみです。
結局私はそういうことを体感していただきたくてセッションするのかもしれません。
自分の中に自分を抑えるものがある、そう感じるのは最初は気持ち良くないかもしれない。
でも、より深く見ていくとそういうものは必ず自分を守るために存在しているんです。
それに気づくと、自分が今までつらい思いをしてきたことにも感謝できるんですよね。
無理にそう思うのではなく、自然に心の底から。
そして、つらかった思い出はリセットされて、自分の心が軽くなるのを感じていただけると思います。

そうそう、セッション後はかなりエネルギーを使いますので疲れを感じる方は多いかもしれません。
これは仕方がないというか、当然なので…セッションはヒーリングと違いますから。
今まで取りこぼしていたものを過去に取りに行くんです。
普段やらないことをすると、皆さん疲れるでしょ?それと同じです(笑)
後でメニューのほうにも書きくわえようと思いますが、セッション後の激しい運動や長時間の運転はお避け下さい。




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天使と人のものがたり ep.7

【もたらされるもの】


虚無。
指先から、羽根の先から、止めどなく何かが流れだしてゆく。
それが己の命そのものであるのを感じながら、彼らは闇の中羽を翻し続けた。
冷たく永遠に動きを止めたかのような大気に全身包まれながら、暖かく力強い光が遠くなるのを知覚する。
胸が重く締め付けられるようだった。
もう、還れない。
美しく光に満ちた、彼らの生まれた世界は今はもうあまりにも遠い。
そう、我々は自らの意志で動いているのだから。


冷たい。
暗い。
寒い。

…寂しい。
悲しい。
苦しい。
辛い。

あぁ、これが……。
生まれてから一度たりともそんな感情に触れたことのない天使達は、己の胸が痛むのを感じる。


音もなく、光が弾けて四散する。
先ほどまで無心に飛び続けていたはずの天使は、その姿を消していた。
目の前でそれを目撃した天使は、僅かに顔を歪めるが、振り返ることもない。
余裕がない、少しでも気をそらせば次は自分が散ることを彼は知っていた。

大気が重い。
体に鉛を詰め込まれたようだ。
どれほど羽ばたいても、ちっとも前に進んでいないような気がする。
仲間はどんどん先を行く。
嗚呼もう駄目だ。
いっそ羽ばたきを止めてしまおうか、そうすれば……。

その時、風が彼の体を撫でた。
ふうわりと、目の前を横切る光。
「レミエル様……!」
ちらりとこちらを振り返った彼は、ほんの少しだけれど笑っていたように見えた。
その羽ばたきは力強く、あっという間に彼の先を飛んでいく。
そうだ、ここで終われない。
何のために、同朋を切り捨ててまでこの闇に身を投じたのか…。
それを、忘れてはならない!
改めて、羽根に力を込めると彼は前を見据えた。
その瞳に宿る輝きを、彼自身は気づいていない。
闇の圧が先ほどより軽くなったようだ。
レミエル様が来てくださったお陰だろうか…?


小さなうめきをもらしながら、レミエルは飛び続けた。
軍勢が闇に身を投じ終えると、しんがりを務めていた彼もまた、後を追った。
ミカエルの軍勢は、そんな彼らを呆然と見送っていたようだ。
そう、これは光の結晶である天使にとっては自殺行為なのだ。
それをどれほど理解していても、羽根を休めたりはしない。

やがて、一際大きな光が近付いてきた。
それとともに、体を握りつぶされるのではないかという圧がのしかかってくる。
それでも、暁の天使の力によって、随分軽減されているはずだ。
先頭を行く彼にかかる苦しみはいかばかりだろう。
その光は揺らぎ一つ見せていないように見える、なんて力だ。
内心の驚嘆を隠せないまま、レミエルはルシフェルに倣って力を展開した。
これで、後続の者たちは少しは楽になるはずだ…。





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【伽羅孤ものがたり】 風よ炎と踊れ

ヤイシャは顔をあげた。
呼ばれている。
知らぬ気配ではない。
しかし、なぜ彼女が自分を呼ぶのか分からない。
しかもこれは………召喚だ。


次の瞬間、視界が変わる。
(私はなぜここにいるのかしら)
不思議そうに首をかしげたヤイシャに、対面した彼女は苦笑した。
この伽羅孤の主である紫野の魂を持つ、地上の本体ともいえる彼女。
彼女が風の神を求めていることは知っていた。
そして、彼女の知る者の中で、その条件に合うのは自分くらいであることも。
それでもやはり不思議なものは不思議で、この状況を心の底から納得できるまでには時間がかかりそうだった。
しかし、己が彼女の召喚に応じたのも事実。
「いいでしょう、契約いたします」
この伽羅孤を支える風の柱となりましょう。
ヤイシャは、言霊を使い契約を履行する。



炎が舞っていた。
七色を閃かせながら燃え上がるその炎は美しい。
けれど、あまりにも美しすぎてどこか畏怖の念をもたらす。
炎の中心で、紫乃は微動だにしない。
両腕を広げ、視線は上に向かっているが、ここではない場所を見ているその目はどこか虚ろだ。

アズマとヤイシャが対戦する際に作られたこの特殊なエリアであるからこそ、紫野の力の放出に耐えている。
もし今の彼女の力が伽羅孤の他のエリアに漏れ出したなら、瞬時で全てを焼き尽くしてしまうだろう。
それほどの力をふるう紫野にたいして、ヤイシャは更に力を送り続けている。
火を煽る風として、その力をより大きくするために。
一切容赦はしていなかった。

炎はますます大きく燃えさかる。
それは、紫野の命そのもののようだった。
既に、通常の力の放出ではない。
一瞬、炎が大きく弾け、それはこの空間を完全に、濃密に、埋め尽くすほどだった。
そして、静寂。

急速に収束した炎は、シャボン玉のように弾けて消えた。
倒れ伏した紫野に、急いでアズマが駆け寄る。
血色を失った彼女の体を慎重に抱き上げると、城へ飛んで向かう。
その一方、アズマは己の分身をそのエリアに残した。

もう一人のアズマがヤイシャに歩み寄ると、緩慢に彼女は顔を上げた。
「大丈夫です」
「しかし……」
ヤイシャの地上の本体は、力の放出と共にその第二チャクラ、丹田のエネルギーを失い、今はベッドに横たわっている。
「本当に、大丈夫です。
それに、他の二人も似たような状況ですし」
その言葉に、アズマは苦笑するしかなかった。
飛ばした意識の片隅で、アーシャスの気配が急速に高まるのを感じられた。
「うまくいったようだ」
「えぇ、そのようですね」

先ほどまで、アーシャスとその地上の本体である彼女は己たちの失われた魂の欠片を求め、彼女の心臓に降りて行っていた。
そしてそれは、紫野の魂の欠片を求める旅でもあった。
紫野とアーシャスは、愛し合っていた。
そしてお互いに、自分が彼に封印されること、自分が彼女を封印するという運命を受け入れ、実行した。
しかし、感情と理性は別物なのだ。
いつの世だって。
殺したくない、殺されることでこの人を悲しませたくない、その悲鳴は魂の欠片となり、お互いの体に突き刺さり、消えることのない傷を残し、かつ、己の魂を一部とはいえ失った。
あるいは、そのような傷を残したということは、せめて傷という形でもいいから、愛する人の気配を己の内に残したいという願いに依ったのかもしれない。
その悲劇も、今、終わりを告げた。
二人は死に、死ぬことで、己の魂を取り戻す。


生と死のドラマに関わることになったヤイシャは、己の両手をじっと見つめていた。
その様子にアズマが声をかけると、彼女は妙に透明な目で首をかしげた。
「不思議なんです」
子供のように頑是ない口調で、そうポツリと漏らす。
「私は、柱でした。闇の界に閉じこもり、ただ在ることで己の務めを果たしていました。
私は同時に、審判者の役割も担っていました。
それは私が誰よりも闇の質を持っていたから。
人は、私を鏡としてみます。
誇れる己であるならば、私はその者に微笑みかけます。
けれど、その者が己の影から目を逸らしている場合、私は漆黒の裁きの女神として立ちはだかります。
そして、その者を無言で糾弾します。
人は、自然に私を避けます。
そして私も人を避けました。
なぜなら、審判者が人と馴れ合ってはいけないからです。
私は己の役割を受け入れ、今までずっと一人で在りました。
けれど………」

「けれど、その役割も今は終えました」

「私はこれから、こうして他者と関わっていくのですね」


子供のような目をしていると思った。
けれど、彼女は確かに今子供なのかもしれない。
今まで経験したことのない事をしている、という意味で。

その時、伽羅孤の上空の結界に触れるものがいた。
気配が二つ。
強固なそれをものともせず、更に特殊結界さえ潜り抜け、ものすごいスピードで降りてきたそれは、地面すれすれで一瞬ふわりと浮いた。
それから、軽やかに地に降り立つ。
せめて挨拶なり先触れをしてくれないだろうか。
呆れた顔で、アズマはため息を吐いた。

「お父様!」
ヤイシャは彼を見た途端、顔を輝かせてその懐に飛び込んだ。
ルシフェルもまた珍しく、その唇に笑みを載せて瞳を和らげている。
天使は体の全体で彼女を抱きこむようにすると、その額にキスを贈った。
嬉しそうに声をあげて笑うヤイシャは、親に褒められて喜びを体全体に漲らせている子供のようだ。
ルシフェルが彼女を離すと、間髪入れず今度はレミエルが彼女を抱きしめた。
「よく頑張りましたね」
そう言いながら、優しく髪を撫でて同様に彼女の額にキスをする。
その光景を見たアズマの脳裏に、「親馬鹿」の三文字が点滅する。
さすがにそれを口に出すような愚かな真似はしないが。

彼は知らない。
通常、大きな何かが起きると、彼女はこの二人の天使のもとへ必ず向かう。
そして報告し、喜びを分かち合うのだ。
春分の日に、闇の界を後にした彼女はその後すぐにこの事もルシフェルとレミエルに伝えに行った。
しかし、三重の封印を解除した後彼女は伽羅孤に留まり続けていた。
彼らの称賛には、だからこの解除の事も含まれている。

長い、永い間、彼女は死んでいた。
愛する者たちと別れ、たった一人で在ることを己に課した。
その役割を終え、これからは今までとは違う形で他者と関わっていくだろう。
それを、この二人の天使が喜ばないはずがなかった。

言祝ぎ(ことほぎ)が、風となり彼女の周りを踊った。


関連ブログ
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2009年05月18日 伽羅弧・弐-25 シベリアの龍と金龍、五神
2009年05月22日 伽羅弧・弐-32 カケラ探し4伽羅弧・弐-32 カケラ探し5

勇者ひかりさん:心軽やかに夢をみつける シンム-
カテゴリー虹の場所へとつづく旅





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【伽羅孤ものがたり】 久遠のメロディ

封印は三重にも渡った。
最後の封印は、その肉体の胸から腹までを完全に覆っていた。
ビシリと重い音を立てて、封印が真っ二つに割れる。
そして、その喉と両手に鉄の枷として張り付いていた3つの拘束(バインド)が次々と弾けた。




彼女は緊張と決意の面持ちで前を見ていた。
「いつでもいいぞ。かかってこい」
相対する男性が、そう言うのに黙って頷く。

そこは伽羅孤という、地球をとりまくように配置された界の一つ。
美しい自然を誇る界であるが、二人のいる所は草木が生えず荒れ地の様相を呈している。
「そのため」に新たに作られたエリアだからだ。

彼女は、手の中の剣を見た。
細い鞘は白地に金の細かい装飾が施されている。
鞘を払うとき、鈴の音のような鍔鳴りがした。
現れた刀身はクリスタルのように透明で、しかしその中に金色の炎が宿っている。
その剣を感慨深げに見つめるのに、男性…アズマが尋ねた。
「矢張り戦うのは怖いか」
「いいえ」
彼女は即座に首を横に振った。
「いいえ。ただ……」
私は、儀式用の剣以外に剣を握るのが初めてなんです。
ましてや、戦うために剣を使う日が来るとは夢にも思っていませんでした。
そう言って小さく苦笑するのに、アズマは意外そうな顔をした。
悠久の時を生きてきた彼女である、今までに様々な経験をしてきただろう。
いくら神殿の奥深く傅かれて育ったとはいえ、これはあまりに箱入りではないだろうか。

漏れた思考に、彼女が笑う。
「私の守護存在が…『お前は巫女だから、俺が守る、お前は闘わなくていい』と」
それに……。
「それに、私は《柱》でした。柱はただそこにあり、一つと一つを結びつける者。私は、私の手と足を戒め、柱であることを課していました」

彼女の名をヤイシャという。
その名は永く封印されたものであり、また、新たに彼女につけられた名であった。
彼女の魂を持って地球上に生まれた者がいる。
お互いがお互いに影響を与えるが、肉体を持っている方が変化をすると、その変容はヤイシャを変える。
知識・力・経験……そういったあらゆる面でヤイシャはその人間に勝っているが、唯一勝てない点もある。
それは、肉体を持つが故の脆さに反比例する「変革」の力。


つい先日、その肉体から三重の封印を解き、その両手と喉のバインドも外したことで、ヤイシャは《柱》としての役割を終えた。
一つの役割を全うした今、新たな動きを始めるのは当然だろう。



「参ります」
右足を一歩引くと、彼女は剣を構えた。
腰を落とした構えは隙がなく、その手に剣を握るのが初めてとは思えない。
対するアズマが手にしているのは、その身長と同じ程の長さの黒い棒。
同じく重心を低くした彼から、重厚な闘気が噴き上がる。
それを合図にするように、彼女は風のように走り出した。

剣と棒が交わり、ぶわりと巻き起こった砂煙が一瞬二人の姿を隠す。
視界から彼女を見失ったアズマが視線を巡らせるのと同時に、背後からの殺気。
咄嗟に繰り出した棒によって、剣が弾かれる。
しかし、剣を押し返したと同時に鋭い白光が空間を切り裂いた。
魔法陣によって展開したそれを、棒術で描いた陣ではじき返す。

飛びのいたヤイシャの目に光が煌めいていた。
戦いが好きだった己の守護存在の記憶を完全に取り込んだ彼女は、既に楽しむことを知っていた。
素早い呪文の詠唱、右手も次々と印を結び新たな魔法陣が次々と展開される。

(これはこれは。)
アズマは朱雀尾尊。
武神である彼の認識を新たにさせる程度に彼女は強い。
にぃ、と唇を歪めて彼は笑った。
これはあくまでも戦闘訓練なので彼から先じることはないが、もしこれが戦場だったなら、もっと思う存分己の荒ぶる魂を解放できただろうに。

鋭い切り込みだったが、下から掬いあげるように剣の切っ先を変える。
その流れのまま彼女の首元を突こうとすると、キン!と高い音がして己の攻撃が弾かれた。
見ると、今まで持っていた長剣はそのままに、彼女の右手に短剣が握られている。
その短剣が繰り出した次の攻撃を弾く時は、ギィンと重い音がした。
細い腕で繰り出せる力などたかが知れている。
だから彼女は己の攻撃を力で補助し、男性に相対出来るだけの重さを剣に乗せる。
重心はずらさない。
腕だけではなく、体の全てで剣を持つ。
気を込めることで力を練り上げ、重く鋭くする。
記憶によって伝えられた男の戦い方から瞬時に判断して、己の戦い方を編み出す。

間断なく続く攻撃に、バチバチと放電が起きて空間がゆがみ始める。
それを遠くから見守っていた伽羅孤の住人達は青ざめ始めた。
お互いに神格レベルの存在だ、その二人がぶつかり合えばどうなるのか分かるようなものだが、これは想像を超えていた。
いくら特殊結界により空間が区切られ、こちらにその戦いの影響が及ぶことがないとはいえ、見ているだけで背筋が寒くなるのだ。

どれほど戦いが続いたか分からなくなるほどの時間が過ぎて、彼女は動きを止めた。
「満足したかな?」
アズマの問いかけに、にこりと笑う。
「そちらこそ。雲は晴れまして?」
アズマは虚を突かれたように瞬いた。
「大丈夫です。確かに、今彼は重大な局面にいるかもしれませんが、必ず帰ってきましょう。
紫乃様の杞憂が実現することはありません。
彼は死に、よりしなやかに、強く、再生します」
あなたもそれを経験したでしょう、とヤイシャは付け加える。

この伽羅孤の主の一人、アーシャス。
彼と、彼の本体は今己の欠片を拾い集めている。
最後の一つは、心臓。
命を支える重大な器官に残されたそれを取りに行くことを、アーシャスの伴侶である紫乃はひどく心配していた。
この状態が、紫乃を守護するアズマに気鬱をもたらしていたのは確かだ。

参ったな、見抜かれていたか。
苦笑するアズマに、ヤイシャは屈託なくニコニコと笑った。
「お相手を務めてくださり、ありがとうございました。
おかげで、剣を扱うことはかなり学べたように思います。
術の方は……」
そうね、と彼女は考え込んだ。
「いずれ、アーシャスにお願いいたします。彼となら、納得いくまで魔術での戦い方をできましょうから」
それを聞いた住人達は、頭を抱えた。
またこんな凄まじい戦いが繰り広げられるのだろうか?!と、そのことで頭がいっぱいになる。

「いいだろう。だが、紫乃とは軽々しく対戦してくれるなよ」
今や恐慌に陥りそうな住人達を横目に、アズマは苦笑した。
おそらく、この二人の女神が闘いあったなら、惑星の一つや二つ、簡単に吹っ飛んでしまうだろう。
それだけは避けなければならない。
その言葉に、ヤイシャは困ったように笑って首を横に振った。
「彼女は火、ここでは私は風。戦いの相性としてはある意味最悪ですので」
アズマは、その言葉に改めて二人の特性を考え、さすがにぞっとした。
紫乃はこの伽羅孤の主であり、その力は火。
ヤイシャは風であり、火の力を煽り増幅することができる。
「ぜ……ったいに戦ってくれるな」
虚脱感に襲われながら、彼はそれだけは言った。


剣を鞘に収めると、彼女はそれを身の内に仕舞った。
その仕草は丁寧で、その剣が彼女にとっていかに大切なものかを伝える。
「それにしても、なぜ今さら戦い方を学ぼうと思ったのだ?」
アズマの問いかけに、彼女は透明な笑みを浮かべた。
「私はもう、柱ではありません。
守られるだけの存在ではなく、己の手足で動けます」

「誰かを傷つけるためではなく、己が強くあるために、戦い方を知りたいのです」

笑う彼女の頬を、風が優しく撫でていった。



関連ブログ
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2009年05月23日 三神の戦闘訓練

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2009年05月25日 『虹旅』 アーシャス リハビリ




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天使と人のものがたり ep.6

【別離の儀式】

彼の気配が現れたのは、本当に唐突だった。
そこはルシフェルの軍のど真ん中、何重にも渡って張られていたはずの結界も役に立たなかったということか。
覇気満ち溢れた気配に、背筋を戦慄が走るのを止められない者も多かった。
当然かもしれない、彼は天界一の闘将・ミカエル。

バサリとマントを脱ぎすてると、ミカエルは剣を抜いた。
兵達がとっさに剣を抜こうと反応するより早く、一陣の風が駆け抜けた。
間をおかずにに響いてきたのは剣戟だった。
完全に拮抗した力が、ギリリと剣を鳴らす。
相対するミカエルとルシフェルの表情はどこまでも冷静だった。

次の瞬間、白光が凄まじい勢いで爆発した。
光と熱と爆風から兵達が立ち直ったときには、ぶつかりあう二人の天使の姿は鮮明でありながら奇妙に存在感を失っていた。
ぶつかり合う術の余波が流れ弾のように零れたが、兵達の元にたどり着く前にある地点でいきなり消えうせる。
姿を見ることは可能だが、天界に力が及ばない程度に離れた界を二人は形成していた。
ルシフェル・ミカエル。
誉れと力に満ちたこの二人の天使の力がせめぎ合えば、星系の一つや二つが容易に吹き飛ぶだろう。否、銀河一つさえどうにかなってしまうかもしれない。
それほどの力から兵達を守るには、こうするしかなかった。

ウリエルが地に降り立ち、既に集まっていた面々に挨拶しようとした瞬間だった。
爆風のような何かがよぎった。
文字通り天の世界を震撼させるその力に、彼とザドキエル・ラファエル・ガブリエルは視線を交わした。
二度目に波動が過ぎったとき、彼らは片膝を着いて正式な天使の礼を取った。
至高神の前以外で膝を折ることのない天使のその礼が誰に向けられたものなのかは分からない。
それは秘されたままけして語られることはないだろう。


剣と剣が間断なく交わされ、その合間に息つく暇もなく術と術がぶつかり合う。
光と風と熱が二人の間からとめどなく生まれてくるようだった。
中空で行われるその戦いは、もはや舞踏に近い。
指先、足さばき。
優雅さを失わずに苛烈な戦いを繰り広げるのは、天使の筆頭の二人だからか。

ミカエルは、剣を握りこむ手に力を入れた。
胸が痛い。
なにかとてつもなく大事なものが、失われる予感がする。
その予感は、外れることはない。これから現実になるのだ。
そして、それはいつまで続くのだろう。
分かっているのは、死ぬことのない彼にとってもそれがあまりにも長い時になるだろう、ということだけ。


今も覚えている。
忘れるはずがない。
ふと気付いた瞬間、彼は彼として世界に存在していた。
見守る暖かな気配は至高神のものだったのか。
横を見ると、大きな瞳がこちらを見ていた。
視線が合うと、その幼子は優しく笑った。
つられて「ミカエル」も笑う。
向かい合う彼は「ルシフェル」。
一緒に生まれた者。
手と手を繋ぐと、温もりが伝わってくる。
彼は自分。
自分は彼。
一つのものから生まれたのだから、二人で一つ。
目を閉じると、繋いだ手から伝わる暖かさがより深く感じられる。
幼いミカエルは、心から安らいだ笑顔でもう一人の天使に寄り添った。
彼がいれば、世界はそれで満ちる。

識っている。
識っていた。
二人は、ただ共に在るために生まれたのではない。
あの誕生の瞬間から、こうなることが決まっていた。
分かたれるために一つから二人が生まれたのだから。


泣けるなら、どんなに楽だろう。
叫べるなら、喉も裂けよと咆哮しただろう。
けれど彼にはそれはできない。

だから、その痛みのすべてを剣に籠めた。
爪が己の手に食い込み、皮膚を食いちぎる寸前になっている。
その痛みも気にせず、ミカエルは己の力の全てを込めた。

ルシフェルは、その剣を両手で受け止めた。
深い瞳の奥に、何かが揺らいだのを見て少しだけミカエルは嬉しく思った。
自分とおなじものを、彼も抱えているのが分かったから。


界を隔ててさえ天界を揺らすほど、その爆発は大きかった。


やがて漂った力が収まると、そこにいたのはミカエルだけだった。




二人がぶつかり合ったと同時に、地を底から揺るがすような、海鳴りのような、なんとも言えない音が湧きあがった。
ルシフェルとレミエルの軍は、ミカエルの軍に押されていた。
押され、押されて、天界の端にまで来ていた。
それが戦略なのだと気付いたミカエル軍の者はいただろうか。
湧き上がるような降るようなそれは、羽音だった。
神に反旗を翻した男と、彼に従う天使たちが天界を一斉に後にしたのだ。
光の天使にとって自殺行為でしかないそれを、ミカエルの兵達は茫然と見送った。



ルシフェル。
暁の天使として神の右に座することを許された天使は、全てを得ていた。
しかし、彼はある時己が神に成り変わろうと天界への反旗を翻す。
神の将であるミカエルは、彼を討ち、ルシフェルは闇の底に追い落とされたという。
ルシフェルに味方した天使は、一説によると全天使の3分の1にも及んだという。







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Crys*Tallos再開&お値下げ品

ひさ~しぶりにCrys*Tallosのお知らせをさせていただきます。
5月に入ってからパソコンが壊れていたのもありカートを停止させていましたが、本日再開いたしました。
パソコンが壊れたのでお届けが遅れたり、多々ご迷惑をおかけいたしました。
誠に申し訳ございませんでした。

4月までやっていたオープン記念セールは終了いたしました。
また、セール品の再値下げと、新たにセール品になったものがありますのでお知らせいたします。
お安くなっていますので、気になるお品物は是非ご利用くださいませ(^-^*

そろそろブレス作りも再開させたいな~と思っています。
多分、今作るとまた作風も変わると思うんですよね。
それが何気に楽しみだったり♪

【新規セール品】
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25%オフ! ムーンストーン・レピドライトブレスレット ~Snow Queen~[br-046]
1,875円(希望小売価格:2,500円)

01-2_20090210012823.jpg
20%オフ! スターガーネット・ピンクオパールブレスレット  ~ Gerbera~[br-047]
4,240円(希望小売価格:5,300円)

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25%オフ! ペリドット・ローズクォーツブレスレット  ~Kamui Mintara~[br-049]
4,500円(希望小売価格:6,000円)

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 お勧め品です 
20%オフ! モルガナイト・ピンクオパールブレスレット  ~Kamui MintaraII~[br-052]
5,360円(希望小売価格:6,700円)

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25%オフ! 琥珀・レッドルチルクォーツブレスレット  ~時を超え~[br-054]
4,650円(希望小売価格:6,200円)


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封印解除のオリジナル・ワーク

新たに開発中の封印解除のワークについてお問い合わせいただいておりますので、簡単なものではありますがお知らせさせていただきます。
これはまだ開発中のワークですので、これからも変わっていく可能性があります。
ただ、概要はそれほど変わらないだろうと思います。

お値段は39000円です。
セッションの前には、事前に一回三十分のヒーリングを2日間送ります。
これは、その方の封印を解除していくためにその時最も必要としているエネルギー、あるいはそのエネルギーを持つ方に来ていただいて行うものです。
かなりバラエティに富んでいて面白いですよ~~中には私にもさっぱり分からないエネルギーがくることもあります。時にその方の魂の系譜が透けて見えるようなヒーリングになることもあります。
ヒーリングの設定が完了すると、エネルギーの概要や見えたもの、メッセージなどがあればそれも含めてメールにてお知らせいたします。
その後、ご都合のよろしいときにエネルギーをお受け取りしていただきます。
リアルタイムで可能なときは、時間を打ち合わせた上で行っています。

セッションは一回二時間で、間を1週間以上おいて2回目をやります。
2回目のセッションの前にも、2回の事前ヒーリングを入れます。
つまり、事前ヒーリング1回目→2回目→本セッション一回目→間一週間以上おいて→事前ヒーリング3回目→4回目→本セッション2回目、となります。
最短でも2週間近くかかります。

モニター様とセッションしての感触を申し上げると、
かなり深い部分の封印にも関われます。
しかし、その分抵抗も相当な強さで出てくる場合があります。
なので本当に自分の本質と向かいあい、今まで封じていたものを解き放つ覚悟ができている方にのみ有効なセッションかもしれません。
でなければ、抵抗の強さばかりが前面にでてしまい、ご本人様の望むものにたどり着くことができません。
それならいっそ、無理のない範囲でのセッションをするほうがずっと有効でしょう。

抵抗を手放す勇気
苦しみを解き放つ意思
今までの自分を明け渡す覚悟が必要かと思います。

解除がうまくいくようでしたら相当変われるだろうと思います。
可能なら、今生では何をするために生まれたのかとか、自分の本質をより理解して今生での使命を確認したりすることもできます。

お値段は本当に抑えています。
他のヒーラーさんがこれを行うと、6万とか10万とられてもおかしくないです。
なお、対面セッションの場合は追加料金が発生いたします。
平日時間内(10~18時)のセッションの場合は、1回につき1000円いただきます。
平日時間外(18時~21時)と土曜祝日にセッションを行う場合は、一回につき2000円いただきます。

疑問点がございましたら、なんなりとお申し付けくださいませ。
可能な限りお答えさせていただきます^-^
お問い合わせはメールフォームからどうぞ。


それにしても、なんなんでしょう……
セッションさせていただく方いただく方、「今変わらなきゃならないような気がして」と口々に言われます。


ここより追記 (5月21日)

封印というのは、「その人の本来持っている性質が押し込められている、しかもその抑圧は短期間ではなく数世代、あるいは数千年以上の単位の可能性があるもの」と捉えています。
つまり、ブロックのより根が深いもの・・・でしょうか。

封印と聞くと、皆さん大げさにとってしまいがちなのですが、そこまで劇的なものなのかというと…うーん?
考えすぎ?な感じもします(笑)

傷ついたことのない人はいません。
むしろ、それを乗り越えられるからこそ、人は優しさや懐の深さを身につけるのだと思います。
その過程で、癒しきれなかった傷を抱えることもあるでしょう。
自分らしさをうまく出せなくなることもあるでしょう。
そういうのを、封印と呼んだっていいんです。

「封印解除」という言葉に尻込みする方が多いのですが考えても仕方がないと思いますよ。
なぜなら、本当に覚悟が出来ていないなら、どんなセッションを受けたって変われないからです^-^
楽な道に行ったって、ハードだけど実りの多い道に行ったって、同じです。

心の奥に行くのですから、隠していた感情などが出てくる場合はあります。
でもそれを軽減したり、速やかに落ち着かせるテクニックを私は持っています。
セッションは苦行ではありません。
苦しまなければ何も得られないと思っているなら、それはただの思い込みです。

それに、自分が何かを抱えているというなら、それはいつか見なければならないのです。
それを避ければ避けるほど、結局つらくなるだけです。

不安を覚えるのは結構、それが人の性です。
でも、その怖さを乗り越えて飛べる翼も私たちは持っています。
結果は、求めて初めて得られるものです。


私だって自分を知るのは時にすごーーーく嫌です。
叫びだすくらい(笑)
でも、乗り越えないと受け入れないと変われないときってあるんですってば。
特に今は、そういう方が多いです。
時期だと思って諦めようね(にっこり)



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『教師』との問答

自分自身と対話したり、スピリチュアルな存在と会話するには様々な方法があります。
私の場合は、イメージワークです。
イメージで天使を呼び出して会話したり、今自分の抱える問題に対するアドバイザーを呼び出して相談したり。
今日は、自分にとっての「理想の教師」と対話してみました。
出てきたイメージは二つ。
『樹』と『人』。
以下、彼らに対する具体的なイメージであったり、彼らからのメッセージです。
箇条書きなのでちょっと分かりにくいかもしれませんけどね。
これはあくまでも私に対するアドバイスですが、もしかしたらこのメッセージはほかの誰かにとっても生きるかもしれない。ので、載っけておきます。

    


『樹』の場合

大樹
丘の上に生えている
周りは草原のようにも森のようにも見える
幹は太くごつごつしていて揺ぎ無く成熟していて
根は確かに大地に張り巡らされ己に必要なものを吸収して
葉は若緑色で瑞々しく生命力と楽しさに満ちている
実はたわわに実り、何者でもその果実を得ることが出来る

『人』の場合

老年の男性
白いひげに白髪
目は若々しく、子供の好奇心と純粋さが宿っている
子供以上に子供らしいほど
目尻の皺は深く、苦労が苦労として刻まれている
けれどそれを卑下するでも誇示するでもなく
それはそれとしてそこにある


私は「教師」として今どの程度の位置にいる?

若木でもなく、まだ熟達のレベルではない
年齢相応
よく頑張っている
70点 (私が最後に到達する地点を100点としている)
合格点

私が「教師」として歩むためには何が必要?

まず「寛容さ」を知らねばならない
どうすればよい?
今だ至らぬもののstruggle(格闘)を見よ
その格闘を己のものとしなさい
停滞
逃げ
疲れ果てた末の絶望
苛立ち
怒り
不安
それら全てはお前の内にあった
他者を他者として見るな
己として見よ
そうすれば労わりの念が生まれる
お前はもう己を慈しむことを知っている
だから他者を己として、人を慈しめ
自分だけを見る時代は終わった
自分だけを癒すのはもう終わりだ
お前は己と人を見て
己と人を癒し
己と人を成長させよ


ありがとうございます。





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迎えに来た船

今日の朝に見たビジョン。

長い階段が続いている。
両端にはお店がいっぱいあって、ショッピングモールみたい。
階段には大きな荷物を抱えた人々の長蛇の列。
なにがあるんだろうと列の先を見に行ったら、白いバン(6~8人乗り?)が次から次へと到着して、待ってる人たちを乗せていく。
見上げると、ビルの谷間に巨大な白い飛行船が浮かんでいる。
白い道がその飛行船の下部(前のほう)に繋がっていて、バンはその道を昇って飛行船に人を送り込んでいる。
飛行船内部は巨大で、吹き抜けもあり近代的で心地よい。まるでホテルみたい。
外から見ると窓はないんだけど、内部からの窓があり、見晴らし最高。

現代の飛行船みたいに、軽い気体(ヘリウムだっけ?)で飛行するというのではなく、エネルギー操作で飛行するらしい。
だから、積載量が半端ないんだよね。飛行船内部丸ごと人やら事物を収容できるから。
私がビジョンで見たのはここまでなんだけど、明らかに……この飛行船も中継でしかなくて、宇宙船が最終目的地。
(飛行船自体は宇宙航行能力はないし(というか、移動速度が遅い)、外壁が弱いから耐衝撃性が低いんだよね。)
しかも宇宙船は明らかに何隻かで船団を組んでいる…
これ、移民レベルだわ…
どうも、未来に起こることのような気がするなぁ。

といっても、本当に実現するかどうかは分からないけどね♪





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お久しぶりでございます

皆様、とてもお久しぶりでございます。
相変わらず消えるときはイキナリで申し訳ございません(笑)
ま、「今から消えま~す」と言って消えるという芸当は未来が分からない限り無理なんですけどね。

今回はですねぇ。
4月中消えていたのは、忙しかったからです。
5月に入ってからの消滅は、パソコンが壊れてしまったからですorz
おほほ~~~買って半年程度で修理センター行きです!
油断いたしました……いつ何時どうなるか分からない、それがパーソナルコンピュータってもんですね!(自棄
今は代替のPCをなんとか用意できたのでそこからネットにアクセスしております。

特に5月に入ってからはメール等のお返事も全くできていなかったので、本当にご迷惑をおかけいたしました。
今日、ご連絡が必要な方へのお返事は全部済んでおります。
もし「私の返事まだー」という方がいらっしゃいましたら、お手数ですがご連絡いただければと思います。

消えていたのは期間にすると3週間くらいだと思うんですが、本当に怒涛の日々でした。
その前、21日行に取り掛かったときから波乱万丈な日々は始まっていたので、あまりのジェットコースター振りに私はおかしくなりそうです(笑
こんな異常に密度の濃い日々、そうそう送れません!
自慢にもなりゃしない!(笑
スリルもショックも要らない、もうちょっとのんびりとあたしは生きたい。(切実)

ジェットコースターの最終地点には、守護天使の交代というイベントが待ち受けておりました。
新たな守護天使の名はシルフェム(シルフィム)といいます。
まだ彼と出逢って数日なので、どんな天使なのかはよく分かっていないのですが……多分彼の出現は私の変化を後押しするんじゃないかと思っております。

思えば2006年の夏にザドキエルと出逢い、2007年の春にルシフェル・レミエル・ミカエルという天使と出逢った事が私のスピ人生の始まりでした。
「何も視えない感じない普通の人」だったはずの私が、怒涛の流れの中で天使と出逢い、ヒーリングをするようになり、NLPの勉強をし、セッションを人様にサービスさせていただくようになった…その切っ掛けの相当な部分が彼らとの出逢いにあったように思います。
今後、シルフェムがどんな天使なのか皆様にお披露目する機会があればいいな、と思っております。(一斉ヒーリング的な意味でね)

ブログの更新ができない日々が続いていましたが、その中でもセッションや伝授のご依頼をしてくださった方々がいらっしゃいまして、改めて有難いなぁ、と思いました。
こんなスピ界の隅っこで、まだブログでしか活動していなくて、こんなひよっ子で、なのに私を信頼してくださる方がいらっしゃる、という事実が涙が出るほど嬉しく感じられました。
私はただ、その信頼に恥じぬように精々努力するしかありません。

21日行が終わった次の日から、新たなオリジナルワークの開発に取り組んでいました。
封印解除のワークです。
かなり大掛かりなものなので、まだモニター様とあれこれやっている最中です。
今月以内に正式なメニューとして発表できたらいいな、と思っているのですが、そのセッションでも本当に勉強させていただいております。
それ以外にも、「豊かさ」をテーマにしたセッションを始めてみたいな、なんて夢は広がるばかり。
少しずつ形にして、早く皆様のお目にかけたいと思っております。

今日は言いたいことをぎゅう詰めにした妙な文章で申し訳ございません。
これからはまたちょこちょこブログに上がれるようになるといいな。
それでは皆様、良い夜をお過ごしくださいませ。




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