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2008-09-10 Wed 20:30
それは誰かが経験したかもしれないものがたり。
夢か現か、知る人はいない。 ![]() 彼はケルトのとある部族の、王の息子として生まれた。 愛情に恵まれ、人に囲まれ、何不自由なく幸せに育った。 そんな日々が永遠に続くものではないと知った時、彼は大人になったのかもしれない。 どうしようもない時代の流れが自分たちの命を押し流す。 生まれ育ったこの土地でつつましく暮らしていく、ただそれだけのことが許されない。 敵は我々を潰すつもりだ、それを覆せはしない。 だから戦う。 自分たちの誇りのために。 落ち延びて逃げるなどは有り得ない、それが一族の矜持。 死を恐れたりはしない。 王として生きた、自分の生に後悔があるわけじゃない。 けれどその時思った、彼には生きていてほしい。 だからそう願い、命じた。 それが悲劇を招きよせるなんて、思っていなかった。 彼に生きろと言った、その裏には世界の広さを知りたいという自分の願いがあったのかもしれない。 彼に押し付けた己の願いが、その魂を食いつぶしていく。 自分はそれを見ているしかない、死者に力があろうはずがない。 誇り高かった男が、最期には見る影もなかった。 そうして彼は、「守りたいものを守れなかった」という後悔と怒りに捕らわれて、もう、この手が届かない。 ただ悲しい想いだけが残った。 |
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2008-09-01 Mon 22:19
それはものがたり。
本当にあったことかもしれないし、ただの想像かもしれない。 事実か空想かは分からないけれど、私の魂に住んでいるものがたり。 彼の名前はアレン。 ケルトのとある部族の王の従兄弟として同じ年に生まれた。 彼らは本当の兄弟のように親しく、いつも一緒に仲良く育った。 二人の子供時代はひどく幸福で、キラキラと輝いていた。 けれど、彼らはある日その終わりを悟った。 自分たちの部族は、遠からず滅びの道を歩むだろう。 それに気づいた時二人の子供時代は終わったのかもしれない。 成人した二人は、聡明な王と屈強な将軍になった。 結婚もして、己の責務を立派に果たしていた。 何もかにも申し分はなかったけれど、時代の流れは二人を押し流す。 (敵はおそらくイギリスだった。) やがて男たちは戦場に立つ。 たとえその先に待つのが死だけだと分かっていても、部族の誇りを護るために。 「私」は並び立つ者がいないほどの戦士だったので、王を守るために彼の脇に立って戦った。 死ぬことは怖くなかった。 冥府に行っても己は王を守るという任を果たす、そう思っていた。 けれど、最後の瞬間に王は言った。 「お前は生きろ」と。 それが、きっと王が彼に下した最後の命令だった。 だから彼は戦場を脱した。 強い彼だから、生き延びるのは造作もなかった。 そうして、体は生きたけれど心は死んだ。 喪われた命のために、墓を作った。 彼はその墓を守りながらも、朽ちるように魂を腐らせた。 彼は王を守りたかった。 ただそれだけを望んでいた。 最後の最後まで王を守ると【私】は誓っていた。 でも全ては奪われた。誓いは守れなかった。 王はいない。 仲間も死んだ。 愛する妻も喪われた。 もう俺には何も残っていない。 ただ無力感だけが彼を覆った。 おそらく、40代くらいで彼は亡くなった。 野盗に襲われたのか、病を得たのか。 そんな一生だった。 |
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2008-05-31 Sat 01:00
凛々しい顔、力の漲る体躯。 玉座にゆったりと座る彼の髪は長く、床にまで届く。 よく戻ったな。 「私」はひれ伏して玉座の肘掛に置かれた彼の手に口付ける。 そうしてその長い髪を一房すくって同様にする。 振り返るとそこは大広間。 大勢のモノがいるようにも、ガランとしているようにも思える。 彼はそこからずっと人間界を見ていた。 ずっと、ずっと。 そして「私」は彼の右に立ってそれに倣っていた。 やがていつだったか、[私]は彼に願い出たのだ。 そして人間の世に飛び込んだ。 いつからそうだったのか。 何故「そう」だったのか。 それは私には分からない。 ただ、闇が辱められた歴史は長い。 闇は邪悪なものでも蔑まれるものでもない。 闇は光の対。 聖なるものの対はまた聖なるもの。 極端な二元論に生きるものはいまだ彼を恐れるのか。 蔑むのか。 では問おう。 何故「彼」が死ぬ事が無いのか? 何故[魔王]として厳然なる存在感を持っているのか? それは邪悪なる魔力ゆえではない。 よく考えてみるがいいよ。 なぜ、宵の明星・明けの明星が彼の名を冠しているのか。 彼は闇に降りた天使。 光に在る天使では救えるものは限られる。 だからこそ、彼は闇に身を投じたのだ。 宵の明星。 暗くなり始めた空に、何よりも早く輝き始める指針。 |
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2008-05-19 Mon 23:29
何者も存在しない静寂 皆が口をつぐんだ静けさ 人々が寝静まった後の静謐さ それぞれが違うと気付いたのはいつだったのだろう。 主の部屋は想像していたとおりもぬけの殻となっていて、彼は翼を広げる。 黒い翼で翔ける黒い夜。 星もなく、月もない。 かつて己が生まれて育った世界とはあまりにも違うセカイ。 それでも、私たちは自らの意志でここへ来た。 命をも捨てる覚悟で……… どれほど飛んだだろう、やっと捕まえた気配に彼は音もなく地上に降り立つ。 「王、できれば供の一人くらいはお連れください」 振り返った彼は、穏やかに微笑む。 「こんな時間に私のわがままで振り回すのは可哀想だろう」 「何よりも大切なのは御身、そのことをお忘れなく」 くく、と彼が少しだけ笑う。 「お前がこうして来たのだ、それでよかろう」 「そういう問題ではありません」 思わず口調に呆れが混じったのは仕方がないだろう。 「何をしておいででした?」 「何もしていないよ。ただ……」 「ただ?」 「気がざわめいているような、不思議な乱れを感じただけだ」 思わず首を傾げてしまった。 少しの間周囲に集中してみても、特段何も感じられはしない。 それを見ていた王は、「そうか、私だけか」と静かに呟いた。 「よい、今日はもう帰ろうか」 「……それは」 「淡雪のようなものだ、必ず何かが起きるわけではない」 「今までも……こうしていたのですか」 「たまに……な。不可思議な予感めいたものが私を捉える事がある。 だがそれがいつ起こるものなのかは私とて分からん。 明日起きるのか、一万年後に起きるのか……」 「闇の王が何をおっしゃいますか」 ふ、と彼が淡く微笑んだ。 「私には分からないことだらけだ。 たとえば、人の運命などは私にも読み解けないほうが多い」 「自由意志の軌跡を予測できるものなどおりますまい」 気が付いたときにはただの会話になっていた。 これでよい、と思っていた。 二人で踵を返そうとしたその時に、視界の端に何かが光ったような気がした。 思わず振り返ると、どうした、と声がかかる。 「いえ、今なにか……思い違いなのかもしれませんが…」 ふむ、と王が優雅な仕草で腕を組む。 「もう少し待ってみるか」 「はい」 やがて、それは私たちに姿を現した。 ゆっくりゆっくりと、この闇を降りてくる今にも消えそうな小さな光。 思わず息を飲む私の傍らで、王はひどく冷静だった。 「まさか、このような所にまで人の魂が」 「たまにあるのだよ」 「王……」 「強く覇気に溢れ、けれどその力の大きさゆえに一度針が振り切れると止められるものはいない。 そういう者が降りてくることがある」 やがてその光を私は受け止めた。 手のひらのそれは、うっかりすると握りつぶしてしまいそうなほどに儚く弱い。 王が、私と手を重ねるようにした。 「眠れ人の子よ。 今は何も考える事はない この闇の中で安らぎを得るがいい」 私がそっと手を開くと、その光はふんわりと地に降りた。 地に降りて、吸い込まれるように消えた。 ちょこりと双葉が芽を出す。 さわりさわりと葉が一枚、また一枚と生えてくる。 蕾はまるで小さな音をたてるように花開いた。 愛らしく咲くその様に、思わず頬が緩む。 「さて帰ろうか」 「そういたしましょう」 王の見事な黒翼が開かれる。 私もそれに倣うと帰る場所……神殿へと向かった。 最後に私が振り返った時、その花は星のように雪のように淡(あわい)の光を揺らしていた。 |
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2008-03-26 Wed 21:24
ものがたり、第二段であります。
竜と勇者のお話を書いた次の日に、慌てて書きなぐったものです。 「へぇ〜こういうことだったのか」と、なぜか納得していました。 竜と勇者のお話につながっているので、当然天使とお茶会 第五夜にもリンクしています。 五夜がきつかった……という方にはもしかしたら今日のこのお話が少しは慰めになるかも? 実はものがたり病になっていまして、他にも書きたいものがあるのですが…… あうーん、文才ってものが欲しいなぁ。くれくれ、天使ーズよ。 世の作家さまは、本当にすごいですね。尊敬しちゃいます ![]() ものがたり、一応隠しました。 気になる方は続きをクリックしてね〜♪ ついでにこっちにクリックしてくれ〜(笑)→人気blogランキング |
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受け入れる、ていうブログとかサイトとか、いろいろ見てたんですが
ルカさんのが一番、分かりやすいです。
ありがとやんした☆雫嫌いなものは嫌い同感です!
嫌いなものを無理に好きになる必要はないと私も思ってます。
「自分が嫌い」なら「嫌い」でOK、そういう自分を受け止める方がよほど自分のためになると思いたか1717baby blue eyesおへんじしえるさん
お花の名前って、可愛いのとかロマンチックなのが多いですよね〜。
インシグニスブルーは、栽培品種の名前じゃないかな……?
コマーシャルネーム。違うかもルカbaby blue eyesあちゃーまたやってしまったすみません。
ルカさん、わざわざ調べてくださってありがとうございます。リンクまで貼っていただいて私はほんと幸せ者です(ノ_<。)
ケーむっちbaby blue eyes和名格好良いっす 瑠璃唐草いいなぁ……あと別名で「インシグニズブルー」ってのも!(名前萌えなのかよと)
wikiで詳細を見たら、寒さに強くて鉢植えも可能ってあるんですね〜。ひょっとししえるさんロックはスピリチュアルじゃない?おへんじまぁ、それは世間一般に言えることかなぁ、なんて思いますけどね。
確かに売れている曲やアーティストの中でも、たいしたことないってのはありますけど。
でもそういう曲ルカ飲み会しませぬか〜おへんじゆきのちゃん
いつか、実際に逢いたいですねー。
私も出張セッションくらいできるようになりたいな♪
そしたら大阪までお伺いしますよルカ